ブックライティング、ブックライター、ゴーストライター

恥ずかしながら、つい最近まで「ブックラインティング」とか「ブックライター」という言葉が「ゴーストライター」とニアリーイコールであることを知りませんでした。

そもそも、「ブックラインティング」や「ブックライター」という言葉が存在すること自体を知ったのが、2019年2月に「椎原よしき」アカウントでツイッターを始めて、編集者やライターさんをフォローするようになってからで、1年ちょっとくらい前のことです。

最初のうち、ブックライターとは「著者として書籍を書いているライター」という意味だと勘違いしていました。ですから、「自分はゴーストライティングの仕事はしているが、ブックライティングの仕事はしていないな」と思っていたのです。

ところが、ブックライターとは、著者に取材して著者の代わりに原稿を書く仕事で、いわゆる「ゴーストライター」とほとんど同じものだということを、つい最近、たまたま知りました。

ただ、ブックライターを名乗っている人の場合、奥付に「編集協力」「執筆協力」あるいは「取材・構成」などの形で、クレジットが入ることが場合もあるようです。ゴーストライターは、文字通り表には姿を見せないゴーストなので、そのようなクレジットが入ることは原則的にありません。

ところがややこしいことに、ブックライターを名乗っている人の仕事でも、そういったクレジットが入らない場合もあるようで、その場合は、ブックライターとゴーストライターとで、なにが違うのかは、私はわかりません。たぶん、ゴーストライターという言葉はちょっとイメージが悪いので、聞こえの良い言葉にしているような感じではないかと推測しています。

いずれにしても、私がこれまでゴーストライター、ゴーストライティングなどと自称していた仕事は、ブックライター、ブックライティングと呼ばれてもおかしくないようなので、過去の実績記事にもブックライターやブックライティングという言葉を加えました。これは、「ブックライティング」という概念をご存じでありながら「ゴーストライティング」という概念をご存じないお客様がいるかもしれないという懸念を抱いたためです。

著者の徳

私は、自分が書いた記事や書籍に自分の名前がクレジットされるかどうかは、どちらでもいいと思っています。お客様が、出した方がいいと思われる場合は出していただいて結構ですし、そうではないと判断される場合は、もちろん出さないで結構です。名前を出してほしいという希望は特にありません。

別記事でも書きましたが、私はライターの仕事に作家性は必要なく、職人性だけがあればいいと考えているためです。とりわけ、他の著者さんの名前で出す書籍の場合は、ゴーストライターはゴーストのまま存在を明らかにしないほうが、どちらかといえば良いのではないかと思います。

美しく整えられた庭に、庭師の名前はクレジットされていません。庭の美の本質は草木の徳であり、それで十分だからです。同様に、書籍の善の本質は著者の徳です。そこにライターの名前が入ることで、その徳を損なうことこそあれ、補うことはないように思われます。