コロナ禍で本が売れている?/コロナ禍とブックライター(1)
「増刷が決まりました。」
「動きがいいので、紀伊國屋さんで平積みされています。」
最近、別々の出版社の編集者から、それぞれの会社さんで私がブックライターとして執筆を担当した書籍について、売れ行きが良いと教えていただきました。ビジネス系の書籍と、投資関係の書籍です。
編集者氏によると、どうやらコロナ禍によって、在宅時間が増えたことや将来に対して不安を感じる人が増えていることから、勉強系のビジネス書は全般的に売れ行きが良くなっている傾向があるようです。
また、投資関連の書籍については相場の影響が大きいでしょう。私は株式投資や不動産投資、FXなどの書籍は何十冊も執筆、編集してきましたが、昔から「相場が良い(上がっている)ときには売れる」という傾向がはっきりあります。大雑把にいえば、株式投資の書籍の売れ行きは日経平均株価と連動している、ということです。最近は株価の上昇に加えて、仮想通貨相場の盛り上がりもあって、投資関連の書籍はよく動いているようです。
本が売れない時代とはいわれますが、タイミングを見極めて、きちんとした本を作れば、やっぱりそれなりに売れるということですね。
本が売れるのは、著者さんはもちろん、編集者やデザイナー、DTP担当者、営業担当者、印刷会社、そして取次会社、書店も含めて、多くの関係者の仕事の結果です。私の力が影響している範囲など、ごくごく一部にすぎません。
また、私がブックライティングをする場合の報酬は、いわゆる印税(※)方式ではなく払いきりの原稿料方式です。そのため、増刷になっても別に追加で報酬がもらえるわけでもありません。
とはいえ、やはり自分が多少なりともかかわった仕事が世の中に広く受け入れられて、売れていると聞かされるのはとても気分が良いことですし、買っていただいた読者の皆さまには感謝しかありません。ありがとうございます。
(※)印税とは、出版業界などで慣用的に使われている用語で、販売部数または印刷部数などに応じて歩合で報酬を支払う形式のこと。(税金とは関係ありません。)